その人間の言うことにゃ（3） らくがき＋日記 | 2010-12-10 Fri

　全くダーメジにならないであろうソレは、人間の頭に『ぽふっ、』と当たり、
地面に落ちました。魔物は、ビックリしている人間を思いっきり睨んでやりま
した。お前なんかに、人間なんかに情けをかけられた魔物の、ちっぽけな意地
を食らいやがれ、と。
　しかし、人間は地面に落ちたソレを持ち上げると、一瞬で笑顔になり、睨み
付けてくる魔物に向かってとんでもない事を言いだしました。

『ひょっとして、お礼にくれるの？』

　魔物は、あまりの人間の勝手な解釈に一瞬固まってしまい、否定せずにいる
と、人間は更に笑顔を向けきます。それに同調するかのように、魔物は背筋に
何やら薄ら寒いものを感じ、更に固まってしまいました。
　そして、硬直した魔物に聞こえて来たのは、今迄に聞いた事の無い様な言葉。

『ありがとう、君の事忘れないよ。』

　意味が分からない。魔物の正直な気持ちです。魔物が唖然としている間に、
人間は軽やかな足取りで、去って行きました。

本当に今日はついていない。人間の罠にハマり、やっとの事で抜け出して、変
な人間に捕まって、情けをかけられて、八つ当たり気味に自分のアイテムまで
やってしまうハメになった。
　しかし、もっと魔物を苛つかせたのは

『頭の装備を自分に寄越した人間に、どうせなら皮の帽子を投げ付けてやった
方が良かったのでは？』

　そんな事を考えてしまっている、魔物自身でした。


※そんな人間と魔物のお話。
実は地味に続きをもそもそ考えている自分がいる。
次にこの一人と一匹が再会するのは、冒険終盤でしょうか・・？
4人メンバーと一緒に再会。とか？